「漕ぎながら変速したら、どこからかバキバキと音がするんです」
とおっしゃられてお持ち込みになられた、こちらのTREK(トレック)「FX2」の油圧ディスクブレーキモデル。
どのあたりから音がしますか?との質問に、「ペダルあたりから音が聞こえる気がする」とのこと。
早速、お客様の許可を得て試走させてもらうことに。
そして乗った瞬間、すぐにミシミシ、ベキバキと不吉な音が鳴り始めました。
それはもう、今にも何かが壊れそうな恐ろしい音です。
でも、、、この音は過去これまでに何度か聞き覚えがあります。
たぶんですが、おそらくフリーボディのような気が、、、する。。。
お客様より一旦こちらのバイクをお預かりし、原因を探ってみることにしました。
一応、本丸を攻める前に、音鳴りにありがちなペダルやサドル、シートポストやBBにガタつきがないか確認します。
・・・ありませんでした。
ということで、リアのハブ(車軸内)をバラしていきます。
最初に左側からです。ディスクローターを取り外し、フタを開けて中の様子を伺います。
あれ?
思ってた以上にキレイです。
グリスもそれほど劣化していませんね。
返す刀で右側のフリーボディの中も見てみましょう。
あぁ、こちらはいけません。
かなりグリスの劣化が見られます。
チェーンやスプロケット、後変速機のサビ具合からみて、それらのサビを含んだ雨水がフタのスキマから侵入したのでしょう。
更に良くないのは、フリーボディを掴みながら右周りの方向に力を加えると、僅かに動きます。
本来はこの方向に動いてはいけません。動くということは、内部のラチェットが正常に機能していないのです。
あぁ、ペダルを踏み込んだ時にバキバキと音が鳴るのは、間違いなくコイツが原因でしょう!
ボディを取り外すとネジのグリスもすっかり変色していました。
FX2のホイールのフリーボディはこれ以上分解できませんので、残念ですが交換するしかありません。
早速、お客様にご連絡して事の仔細をご説明。
その後、交換の許可を得ましたので早速取り寄せて交換することとなりました。
新しいボディの中にもしっかりとグリスを塗布します。
交換後、試乗してみましたらあの恐ろしいまでのバキバキ・ミシミシ音がすっかり消えておりました。
ホッ・・・良かった、良かった。
(それにしても、あのような音を響かせながらペダルを漕ぐのは、さぞかしご不安だったでしょうに・・・)
クロスバイクとはいえ、その気になればかなりのスピードが出ますから、異常が起こったまま乗り続けますと事故に繋がり、場合によっては生命の危険に及ぶこともあります。
自転車屋さんはそのことを誰よりも知っていますから、整備や点検を絶対疎かにはしません。
というわけで、お乗りの自転車に少しでも異常や違和感を感じられたら、すぐにかかりつけの(ご購入された)お店に行かれるか、それが難しければ、どうぞ遠慮なく当店にご相談下さい。
出来ること、出来ないこと、もちろんあります。
でも、出来る限りお力になりたいと思っています。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
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